ここ数年で、一気に葬儀の定番スタイルとなった家族葬。新潟の場合も同様で、近年、家族葬専用の式場などが急激に増えており、利用者も年々増加しています。皆さんのまわりにも家族葬で故人を送りする親族や友人・知人が増えたのではないでしょうか。
家族葬の広まりと同時に、実は一人一人が葬儀に参加する機会も年々少なくなっています。つまり、葬儀という儀式そのものに触れる機会が減ってきており、葬儀のマナーや喪主の役割などを見たり・知ったりする機会がないまま、ご自身が喪主を務めることになってしまうケースも見受けられます。
事実、「喪主になったら何をしたらいいのかわからない」といった相談は増えています。そこで、こちらの記事では、今さら人に聞けない、聞きにくい、家族葬での喪主の役割についてご紹介します。
そもそも喪主とは?
そもそも喪主とは、遺族の代表者であり、葬儀・葬式の主催者となる人物です。故人に代わって、弔問を受けるのが主な務めになり、弔問客や僧侶の対応をはじめ、葬儀を滞りなく進めるための重要な役割を担います。また、葬儀を終えた後にも年忌法要などを主催することになります。
一般的には、故人と最も縁の深い人が喪主になり、夫婦のどちらかが亡くなった場合はその配偶者が喪主になるケースがほとんどです。配偶者がいない場合は子(長男・長女)が、子もいない場合は親や兄弟姉妹などが務めます。喪主が未成年の場合は、親族の一人が後見人になり、遺族も親族もいないときは友人・知人が喪主になるといったケースも。
喪主はどのように決めるのか?
喪主の決め方に明確なルールや決まりはありませんが、前述の通り、一般的には故人と最も縁の深い人が喪主を務めるケースがほとんどです。故人の配偶者・子ども・両親・兄弟姉妹の順番で決まっていくことが多いでしょう。
ただ、故人が遺言や家族との話し合いで、生前、喪主を指名している場合は、故人の考えが優先されます。
しかし、故人の配偶者が高齢だったり、大切な家族を失ったショックで喪主を務めることが困難な状況だたり…そのような場合はご遺族や親族で話し合い、喪主を務められるような人が務めることも可能です。
喪主は複数人で務めてもいい
喪主は葬儀の手配や費用の支払い、参列者への挨拶やお礼、葬式後の法要の手配など、やることが多岐にわたります。そのため、引き受ける人が見つかないと、ご遺族の間のもめ事に発展しかねません。
喪主は必ずしも1人でやらなければいけないといった決まりはないので、喪主の担い手が決まらない場合は、複数で喪主の役割を分担することを検討しましょう。また、前述の通り、故人と近しい人が喪主を務めるのが困難な場合も、複数で喪主の役割を分担することができます。
葬儀の段取りは喪主が決まってから
喪主が決まらないなかで喪主以外のご遺族や近親者が葬儀の手配を進めると、喪主が決まった後に認識のズレなどが生じる場合もあります。とはいえ、ご臨終から葬儀までの時間は限られています。故人やご遺族が安心して葬儀を行うためにも、喪主を誰が務めるかは、生前、家族や親族の間できちんと話し合いをしておくことをおすすめします。
喪主と施主の違いとは?
葬儀には「喪主(もしゅ)」に加えて、「施主(せしゅ)」といった役割を果たす人も存在します。これは家族葬の場合も同じです。
喪主は、葬儀を執り行う責任者であり、故人に代わって参列者を迎える遺族の代表者的な存在です。一方、施主は、葬儀費用を負担し、経済的なサポートを担う人のことを指します。
高齢化が進む現代、高齢の親が喪主となり、費用負担は子どもが負担するといったケースは少なくありません。こういった場合は、親(故人の配偶者)が喪主となり、子どもが施主となります。また、不慮の事故などで、幼い子どもが喪主を務める場合、費用面でサポートする施主を親族の間で決めることもあります。
施主も喪主同様、決め方などに決まりやルールはありませんが、一般的には血縁関係の近い人や故人と縁の深かった人から決めていくケースが多いです。