四十九日法要とは、故人が亡くなってから49日目に行われる法要のことです。一般的に仏教の教えでは、人が亡くなると49日間で仏の世界(浄土)へ生まれ変わると考えられており、初七日から7日毎に審理があり、その最後の行き先が決まる日が49日にあたるとされています。そのため、四十九日法要は故人の冥福を祈り、安らかに仏の世界(浄土)へ導かれるように、と願いを込めて行われる大切な儀式です。
前編では法要開催日の確定や寺院・僧侶の手配、法要会場について解説しましたが、後編では法要当日までに準備しておくこと、参列者への案内、香典返し等を中心に解説します。
四十九日法要の意義
故人の冥福を祈る: 故人が安らかに極楽浄土へ生まれ変われるよう、心から祈ります。
●家族・親族の心の整理: 悲しみに暮れる家族・親族が、故人を偲び、心の整理をつける機会となります。
●仏教の教えに基づく: 仏教では、死後も生まれ変わりがあると考えられているため、定期的に供養を行うことが大切とされています。
コロナ禍以降、葬儀の主流が家族葬となってからは、以前ほど大人数ではなく、家族と近しい親族のみで執り行われるケースが増えています。法要全体の雰囲気も、故人の生前の頃からの看病やお世話、葬儀終了までの間の「お疲れ様会」として実施されることが多いようです。
法要当日までに準備しておくもの
四十九日法要の当日まで準備しておくものは、法要の際に祭壇などに飾る仏具や御布施、供花、現金など以下の通りです。
故人の遺骨、埋葬許可書
遺骨は葬儀時に葬儀会社より準備してもらった骨箱をそのまま使います。
四十九日法要に合わせて納骨法要も行う場合は、ご遺骨と埋葬許可証が必要です。埋葬許可証は遺骨と一緒に入っているケースが多いので探してみましょう。
故人の遺影
こちらも葬儀で使った遺影をそのまま使います。家族葬そらでは事前に依頼して頂ければ複数ご用意します。
白木の位牌、本位牌
位牌には依代(よりしろ)といって、故人の魂が寄り付くものという役割があり、位牌はある意味、故人の魂が宿ったもの、故人の分身ともいえます。
白木の位牌とは葬儀で使用する仮の位牌のことで、一般的には、四十九日法要をもって仮の白木の位牌から本位牌へ魂を移し替える儀式をします。そのため、四十九日法要に合わせて本位牌を用意しておきましょう。本位牌は注文してから2週間ほどかかるため、早めに依頼しておくと安心です。依頼先は地域の仏壇仏具店などです。魂を移し替えたあとの白木位牌は寺院に依頼すればお焚き上げしてくれます。
本位牌は主に3種類があります。
●塗り位牌
漆塗りの位牌です。
高級漆ならではの漆黒の美しさをもつ「上塗位牌」や、深みと温かみのある美しさをもつ「呂色位牌」などもあります。
●唐木位牌
紫檀や黒檀などの銘木を素材としており、美しい木目と耐久性を兼ね備えています。
●回出位牌
戒名を書く板が数枚納まる箱型の位牌です。ご先祖の位牌がたくさん祀られているお仏壇に最適です。
家族葬そらは「福宝グループ」です。県内16店舗の「仏壇・墓石の福宝」で購入可能です。
https://www.fukuhou.jp/butsudan/butsudan_ihai/
お供え花
祭壇に飾る供花も準備しましょう。特別なルールはありませんが、香りの強い花や、トゲのある草木はNGです。近所の花屋さんに「四十九日法要に適した花」と言って注文すれば間違いありません。予算的には10,000円~20,000円程度が一般的です。祭壇の大きさや部屋の広さによってオーダーすればよいでしょう。
お布施
寺院の僧侶にお経をあげてもらうための御礼が「お布施」です。地域や寺院との関係性によって多少変動しますが、寺院に確認すれば間違いないでしょう。
お布施の他にも僧侶の移動費として距離にもよりますが、「御車代」が5,000円〜10,000円、法要後の会食を辞退された際にお渡しする「御膳料」10,000円程度用意することをおすすめします。僧侶に渡すときは水引のない白い無地の封筒に、「御布施」「御車代」「御膳料」とそれぞれ分けて入れるのが一般的です。文房具店や100円ショップでも市販されているので、事前に準備することが良いと思います。
お布施は、「ふくさ」と呼ばれる、祝儀袋や不祝儀袋などの贈り物を包むための布に包んで持ち歩くのが丁寧な形です。
僧侶にお渡しする際は、「ふくさ」からお布施の袋を取り出し、「切手盆(きってぼん)」と呼ばれる黒塗りのお盆に乗せて、僧侶側から文字が読める向きでお渡しします。素手で直接お渡しすることは失礼にあたりますので気を付けましょう。
お渡しする際は、「本日は誠にありがとうございました」など法要のお礼の言葉も添えるのがマナーです。
現金と封筒
昨今キャッシュレス時代ですが、法事の時は突然現金が必要になるケースも多々あります。
例えば送迎を家族に依頼した時のタクシー代、足りないものを買物してもらう時に渡す御代などです。
お茶とお菓子
参列訪問くださった方に対応する用のお茶とお菓子も必要です。決して高級品でなくてもよいので、近年は季節感あるものが好まれているようです。
参列者への案内と連絡方法について
四十九日法要の日程が決まったら、参列者と連絡を取って、法要のご案内と出席の有無を確認して参列人数を把握します。近い身内だけの場合には電話で直接ご連絡する形でもOKとする場合もありますが、基本的には案内状を制作して送るのがマナーです。
先方の都合もありますので、遅くとも法要を行う1ヶ月くらいまでには案内状が到着するようにしましょう。案内状には切手を貼った返信用ハガキを封入するか、往復はがきで案内するのがマナーです。案内文には「、」「。」等の句読点を入れないこともマナーと言われています。近年葬儀の主流となった家族葬の場合、四十九日法要は家族、近しい親族の内々で済ませてケースも増えてきています。その場合は前記の様に電話対応で問題ないでしょう。
「香典返し」と「四十九日法要のお返し(引き出物)」の違い
よく混同されるものとして
①香典返し(通夜・告別式に頂いた香典のお返し)
②引出物(四十九日法要頂いた「お供え」のお返し)
③香典返し(四十九日法要に頂いた香典のお返し)
があります。
①は忌明けを迎える四十九日法要の終了後に、いただいた「香典」へのお返しをご自宅に送るのが一般的です。品物と共に、香典の心遣いに対する「感謝」と、四十九日法要を終えて「故人に関する一切の仏事が滞りなく終わりました」という「報告」をしたためたお手紙を一緒に送ります。
②は四十九日法要当日「お供え」をご持参くださった方への御礼の品として一律金額で用意するもので、当日手渡しするのが一般的です。金額的にも一律3,000円~5,000円程度で消えもの、消耗品(お酒、お米、お茶、珈琲、海苔、お菓子、タオル)等を準備するのが一般的です。
③の香典返しは半返しが一般的な相場です。香典返しは、一律で準備する四十九日法要の引出物とは違い、頂いた香典の額に対しての金額で準備するもの。香典を10,000円いただいたら半額の5,000円程度の香典返しを、30,000円の場合は15,000円程度の香典返しを準備します。また地域によっても違いがあり、1/3返しや、一律の金額で準備し当日返しという場合もあります。