お盆にお墓参りをする理由
お盆の墓参りは仏教文化において、お盆(盂蘭盆会)の期間中に故人の墓を訪れ、故人を供養し、故人を偲ぶ行事を指します。
お盆は、通常7月13日から8月16日の間に行われます。これは、故人の霊魂が現世に戻るとされる期間です。その中でも13日は盆の入り、迎え盆といい、先祖が地上に降りてくる日です。この期間中に、故人の家族や親族が墓地を訪れ、墓前でお線香を焚き、お供え物(花や果物、ご飯や水など)を供えて故人を供養します。
墓参りは、故人の霊を迎えるとともに、故人を偲び、感謝の気持ちを表すために行われます。家族や親族が集まり、故人とのつながりを確認し、絆を深める重要な行事となっているのです。
お墓参りに必要な持ち物とは
お墓参りをする際は、お供え物のほかに、お墓を手入れするための掃除道具などが必要になります。
必要な持ち物
- 数珠
- ライターやマッチなど
- タオル、ぞうきん
- ゴミ袋
- 掃除用具(タオル、スポンジ、ブラシなど)
- 軍手
寺院や霊園にあるお墓は、敷地内にひしゃくや手桶があることがほとんどなので、それらを借りて、手桶に水を汲み、お墓まで持っていきましょう。また、軍手があると掃除をする際、手が汚れなくて便利です。
お供え物
- 生花
- 線香
- ろうそく
- 半紙(お供え物を置くためのもの)
- 故人が好きだったお菓子や飲み物など
お墓参りの服装に決まりはありませんが、お墓の掃除を行うのである程度汚れてもいい服装がいいかもしれません。また、古くからある寺院の墓地などは足場が悪い場合もあるので、歩きやすい靴で訪れることをおすすめします。
お墓参りの基本的な手順
お盆の墓参りは、日本全国で広く行われる伝統的な行事であり、特に地域によっては地域独自の風習や慣習が加わりますが、基本的なお墓参りの手順について解説します。
1.本堂にお参りをしましょう
寺院や霊園にお墓がある場合、到着したらまずは手を洗い清めます。寺院など本堂がある場合は本堂にお参りをしましょう。また、永代供養墓や合葬墓がある場合は、そちらにお参りもしましょう。
その後、手桶やひしゃくを借りて、故人のお墓に向かいます。
2.隣りのお墓にお参りをします
故人や先祖代々のお墓の隣りにお墓があれば、まずはそちらにお参りをしましょう。ただし、地域や寺院によっては他人のお墓へ入ることをマナー違反と捉える場合もあるので注意が必要です。
3.お墓を掃除します
お隣のお墓へのお参りが終わったら、お参りの前にまずはお墓の掃除をします。周辺の雑草や枯れ葉などを取り除き、墓石の汚れを落とします。お墓の汚れがひどかったり、お墓に苔が生えている場合は、水を掛けてスポンジや柔らかい布などでこすり取りましょう。この際、金属製のたわしなどを使うと墓石が傷付いてしまう恐れがあるので、使用しないようにしてください。そして、墓石周りにある水鉢や花立なども洗い、最後に水気を拭き取りましょう。
4.お供え物を置く
持参した半紙を敷き、その上にお供え物を置きます。また、生花は茎の長さをそろえ、新しい水を入れた花立てに供えます。
5.線香を焚き、合掌する
ろうそくを使って線香に火をつけたら、故人と縁が深い人から順に、線香を線香受けに寝かせ(立てる場合もあります)、合掌礼拝を行います。この時、墓石の前にしゃがみ、数珠があれば手にかけて拝みましょう。また、お経を唱えることができる方は、合掌中にお経をあげると良いでしょう。
6.後片付けをする
火災などの恐れがあるため、ろうそくの火は消します。その際、口は仏教では汚れにあたりますので、息を吹きかけるのは避けましょう。消し方としては、ろうそくの火がついている側を上に向け、一気に下へ10cmほど引き下げるという方法がよく知られています。また、カラスやネズミ、タヌキなど野生の生き物に荒らされないように、お供えした飲食物は持ち帰ります。掃除などで出たゴミも持参したゴミ袋に入れて持ち帰りましょう。
お墓参りはご先祖様に感謝し、家族の繁栄や健康を祈ると同時に、自分自身を見つめなおす機会にもなります。遠方に住まれている方も、年に一度、お盆の時期は、ご自身のルーツをたどりにお墓参りをしてみてはいかがでしょうか。