喪主は葬儀を終えた後、法事・法要を執り行います。法事も法要も基本的には葬儀の喪主を務めた人が取り仕切ります。ただし、葬儀のように「喪主」とは呼ばず、「施主」と呼びます。法事は葬儀と異なり、葬儀社と一緒に行っていくものではなく、施主がすべてを取り仕切らなければいけません。
喪主と施主の違いはこちらの記事(https://familyhall-sora.jp/column/1089/)でもご紹介しています。
法事とは、故人の冥福を祈るために、遺族や親族が集まって行う仏式の行事のことです。法事と法要の違いについてよく問われることがありますが、法事・法要の違いは、会食があるかないかで判断するといいでしょう。
法事…故人の冥福を祈るための行事全般のこと
法要…故人の冥福を祈るために行う読経や焼香などの儀式のこと
つまり、法事の中に法要も含まれます。法要をした後に会食を行うといった一連の行事を法事と呼ぶのが一般的です。
つまり、法事の中に法要も含まれます。法要をした後に会食を行うといった一連の行事を法事と呼ぶのが一般的です。
法要を行う日とは
法要を行う日は仏教の決まりで、亡くなった日からの日数、年数により定められています。法事は命日に行うことが理想ですが、平日に当たった場合は喪主や参加する人の負担になってしまうため、平日を避けて休日に行うことがほとんどです。その場合、必ず命日よりも早く行うのが決まりとなっています。
初七日(しょなのか)
亡くなった後7日目。一般的に、お葬式と一緒に法要がとり行われています
四十九日(しじゅうくにち)
亡くなった後49日目、あるいはそれ以内
一周忌(いっしゅうき)
亡くなった日から満1年目、あるいはそれ以内
三回忌(さんかいき)
亡くなった日から満2年目、あるいはそれ以内
三回忌以降は、亡くなった年を一として数え、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌が行われます。三回忌までは友人や知人など親族以外の人にもお知らせして行うことがありますが、三回忌以降は親族のみで執り行っていくケースがほとんどです。
法事・法要で施主がやること
法事・法要を行う際は、準備から当日の挨拶までを施主が行います。どのようなことを行うのか、一般的に施主が行うことを時系列でご紹介します。
■日程を決める
まずは法事を行う日時と出席者数を決める必要があります。前途のとおり、故人の命日よりも前に日時を設定しましょう。自宅で行う場合は会場を連絡する必要はありませんが、お寺や貸会場などを利用する場合は、会場をおさえる(予約する)必要があります。次に法事を行う日程を菩提寺に連絡し、僧侶の都合を確認します。
■お布施を用意する
法要を行う際はお布施に加えて、自宅に来てもらう場合は「お車代」、食事の用意がない場合は「お膳料」が必要になりますので、こちらも早めに用意しておくと安心です。
■参加者に連絡をする
日程が決まったら親族をはじめ、故人と縁の深かった人に法事開催の案内をします。電話でもいいですし、文書でも構いません。近年はLINEやメールなどインターネットのコミュニケーションツールを使って、連絡をする人もいます。
文書で連絡をする場合は、出欠確認用の返信用ハガキが付いた案内状を用いるようにしましょう。案内状には、法事の内容(年忌)、開催日時と会場、お斎の有無、服装の留意点(略式か平服で良いかなど)などを記載してください。
■引出物の用意をする
出席者の人数が決まったら引出物の用意をします。引出物の相場は2,000円~5,000円程度が目安です。お菓子や洗剤など「後に残らない」ものを選ぶようにしましょう。また、引出物は法要に参加する一家族に一つで大丈夫です。
■会食(精進落とし) ※会食は行わない場合もあります
法要の後にする会食を「精進落とし」と呼びます。会食は仕出しなどを用意して法要と同じ場所で行うか、ホテルやレストランなど別の場所に移動するのか、事前に決めておきましょう。会食の費用は一人あたり5,000円~1万円くらいが一般的ですが、親族のみで行うような法要は、施主の負担を減らすためにもっと少額におさめる場合もあります。
■当日の挨拶
当日は施主の挨拶によって法事が始まります。お葬式と異なり形式が定められているわけではありませんが、ある程度の流れがあるので、下記を参考にしてください。
1 施主から開会の挨拶
2 僧侶の読経
3 家族・親族の焼香(献花)
4 参列者の焼香(献花)
5 僧侶の話
6 お墓に移動してお墓参り(お墓が遠い場合などは行わない)
7 会食
8 施主から閉会の挨拶