葬儀のマナー

冬の法事の過ごし方と準備|寒さ・感染症に配慮した参列マナーと新潟の地域性

作成日:2025年12月26日 更新日:2025年12月26日

はじめに

冬の法事に求められる「気遣い」とは

法事は、故人を偲び、遺族と参列者が静かに心を通わせる大切な時間です。
とくに冬の法事は、寒さや天候、そして感染症への配慮など、ほかの季節にはない注意点が多くなります。
新潟市及び近郊の冬は、豪雪地帯ほどではなくとも、気温の低さや路面状況、日照時間の短さなど、生活に密着した「冬ならではの不便さ」があります。そのため法事においても、形式的なマナーだけでなく、参列者同士が互いに体調や移動を思いやる姿勢が、何より大切になります。また今年の冬はインフルエンザの流行も例年より早く、その感染の勢いも凄いことになっています。合わせて新型コロナもまだまだ影をひそめることなく、戦々恐々で過ごしている方々も多いと思います。

 

本コラムでは、

 

●冬の法事で押さえておきたい基本マナー

●感染症が流行する時期ならではの判断基準

●会食や年末スケジュールの注意点

●新潟の地域性を踏まえた具体的な工夫

 

について、現代の実情に即して解説します。
主催者の方々に「失礼にならないか」だけでなく、参加者にも「無理をさせないか」という視点で、冬の法事の過ごし方を一緒に考えていきましょう。

目次 [閉じる]

冬の法事で気をつけたい基本マナー

寒さに配慮した服装選びと「略礼装」の定義

法事(特に一周忌以降)は、喪服(正喪服・準喪服) または、それに準ずる略礼装で参列するのが基本です。しかし、冬場は寒さ対策も必須です。マナーを優先するあまり体調を崩しては元も子もありません。保温とマナーを両立させる工夫が必要です。

 

●黒のコート

弔事では、黒、濃紺、濃いグレーなどの落ち着いた色を選びます。素材はウールやカシミヤなどの合皮・獣毛でないものが正式ですが、現代ではシンプルなデザインであればウールやカシミヤ(ファーがついていないもの)も許容されることが増えています。ダウンコートなどカジュアルすぎるものは出来るだけ避けましょう。

 

●厚手のインナー

喪服の下に、機能性インナーや薄手のセーター(Vネックなど襟元から見えないもの)を着用し、外見からは分からない部分で体温を確保します。

 

●避けるべき防寒具

毛皮や動物柄のものは「殺生」を連想させるため厳禁です。派手な色のマフラーやイヤーマフも避け、地味で目立たないものを選びます。

防寒具の扱い方と会場での置き場所

●会場での行動

コートや厚手の防寒具は、法事会場(お寺や会館)の入口で脱ぎ、手に持って入室するのがマナーです。会場内は暖房が効いているため、脱ぎ着しやすい服装が最適です。

 

●略礼装
男性はダークスーツ(黒、濃紺、濃いグレー)に白無地のシャツと地味なネクタイ、女性は黒、濃紺などのワンピースやアンサンブルを指します。派手な装飾や光沢のある素材は避けましょう。

 

●防寒具の扱い
法事における基本的なマナーの一つです。特に法事の会場であるお寺や和室の会館では、置き場所にも配慮が必要です。

 

●受付前に外す

コート、手袋、マフラーは、会場の建物に入る直前、または受付を通る前に外します。

 

●会場での置き方

クロークや預かりがあれば利用するのが最も丁寧です。預かりがない場合は、椅子に座る際に膝の上に軽く畳んで置くか、椅子の背もたれにかけます。和室の場合は、座布団の奥の目立たない場所に、きれいに畳んで置きます。決して床に直接置いたり、無造作に積み重ねたりしないよう注意しましょう。

 

●屋内では防寒着を着用しない
本堂や法要を行う会場内では、体調不良などの特別な事情がない限り、防寒具を着用したまま参列するのは失礼にあたります。

 

女性の足元の防寒対策(タイツ・ブーツの選択)

女性にとって、冬場の足元の冷え対策は切実ですが、法事・法要では「ストッキング」が正式なマナーとされています。

 

●ストッキング

肌の透けない黒のストッキングが基本です。冬の寒さに耐えかねてタイツを着用したい場合は、喪主に事前に相談するか、あくまで略式であることを理解して参列しましょう。

 

●シューズ

装飾のないシンプルな黒いパンプスが基本です。ロングブーツでの参列はマナー違反とされています。

 

●カイロや重ね履き

足用のカイロを貼る、靴下用の薄手のインナーソックスを履くなど、外から見えない部分での防寒対策を徹底しましょう。また、会場が和室で靴を脱ぐ際、白いソックスを重ね履きしていると目立ってしまうため、黒の足袋型ソックスなどを準備する方が無難です。

感染症が流行する時期の法事マナー

参列判断の基準と自己判断の重要性

家族葬後の法事・法要は、故人と縁の深かった親族・知人が集う場であり、高齢者が多く参列する場合が多いようです。そのため、参列者一人ひとりの体調管理が、法事全体の安心につながります。

 

●参列を控えるべき判断基準

発熱、強い咳、喉の痛み、味覚・嗅覚の異常など、感染症が疑われる症状がある場合。

同居家族や身近な人に感染症の陽性者、または濃厚接触の疑いがある場合。強い倦怠感やいつもと違う風邪症状がある場合。前日に十分な睡眠がとれず、体調が不安定だと自覚する場合。自己判断に迷う際は、「無理をして感染症を持ち込むリスク」と「欠席して後日弔意を伝える機会を設ける配慮」を天秤にかけ、後者を選ぶ勇気を持ちましょう。欠席の連絡は、日程調整などで喪家の負担を増やさないよう、できるだけ早く行うことが大切です。

 

マスク着用についての現代的な認識

現在はマスクの着用は個人の判断に委ねられていますが、冬の法事では、マスクをして参列する方が依然として一般的です。これは、インフルエンザや新型コロナウイルスの集団感染を防ぐための「配慮」として受け取られます。

 

●本堂、会場内

読経中や焼香時、着席している間など、基本的にマスク着用で問題ありません。

 

●会食の場

会食中以外はマスクを着用し、会話をする際もマスクを着用するか、距離を取るなどの配慮が必要です。

 

●高齢者への配慮

高齢の参列者が多い場合は、マスク着用は最優先の配慮として歓迎されます。

喪主や主催者から着用に関する特別な指示があれば、それに従うのが最優先です。もし指示がない場合は、不織布マスクを持参し、会場や弔問客の状況を見て判断しましょう。

欠席時のお供え・香典の郵送方法と添え書き

やむを得ず欠席する場合は、香典やお供えを郵送することで弔意を伝えます。

 

●香典の郵送

必ず現金書留を利用し、法事の日程に合わせて遅くとも法事から一週間以内に到着するように手配します。

 

●お供えの手配

菓子折りや線香などを送る場合は、法事の前日までに会場または喪主宅へ届くよう手配します。生ものや賞味期限の短いモノは避け、日持ちのするものを選びましょう。

 

●後日の訪問

参列できなかったことを詫び、後日改めて弔問に伺う意向を伝えることも丁寧な方法です。

※添え書き(挨拶状)の基本と例文

香典や供物を送る際は、欠席のお詫びと心からのお悔やみを記した添え書きを必ず同封します。長文は避け、簡潔で丁寧な文章を心がけましょう。

 

【例文】

「この度のご法事に際し、体調不良のため出席できず、大変申し訳ございません。心ばかりではございますが、香典を同封いたしました。皆さまのご健勝と、法要が滞りなく進みますことを心よりお祈り申し上げます。落ち着きましたら、改めてお悔やみに伺わせていただきます。」

冬の法事における会食の注意点

感染対策を意識した席順と換気への配慮

法事の後の会食(お斎)は、故人の供養と親族の交流を深める大切な機会ですが、冬場は感染症リスクと寒さ対策に配慮が必要です。主催者側も参列者側も、安心して会食ができるよう、以下の工夫が求められます。

 

●向かい合わせの距離を少し広く

席順は、真正面での対面を避けたり、テーブルの間隔を少し広めに設定したりする工夫が効果的です。※飲食店などの会場に事前相談してみましょう。

 

●換気のタイミングを工夫

寒さ対策として暖房を強める一方で、定期的な換気が必要です。換気時に寒気が入ることを参列者に事前に伝え、理解を求めましょう。

 

●高齢者の席次

体温調節が難しい高齢者を、窓際や出入口付近などの冷えやすい場所ではなく、暖房が安定している部屋の中央付近に配置する配慮が大切です。

会食中の会話マナーとエチケット

事中の飛沫感染を防ぐための配慮も重要です。

 

●大声での会話は避ける

楽しい会話も、大声になると飛沫が飛びやすくなります。節度ある声量で静かに歓談しましょう。

 

●口に手を添える

咳やくしゃみはもちろん、食事中や会話中に口元に手を添えるなどのエチケットを守りましょう。

 

●取り分けの配慮

大皿料理の場合は、取り分け用の箸やトングを使用し、自分の箸を料理につけないように徹底します。

折詰・持ち帰り対応の増加と心構え

感染症が多い時期や、年末で会食の時間を短縮したい場合は、「折詰・持ち帰り」に対応するケースが増えています。

 

●持ち帰り用の料理は失礼にはあたりません

持ち帰り形式の会食は、喪家の「参列者にゆっくり休んでほしい」「感染リスクを減らしたい」という思いやりとして一般化しています。失礼にあたることはありませんので、感謝の気持ちで受け取りましょう。

 

●持ち帰り品の管理

持ち帰る料理は、帰宅後すぐに冷蔵庫に入れるなど、衛生管理に気を配りましょう。

 

●返礼品との混同に注意

法事の記念品(引き出物)と、持ち帰り用の折詰が別になっているかを確認し、両方を受け取るのを忘れないようにしましょう。

年末の法事で注意したいスケジュールと準備

お寺への連絡は「1か月以上前」が理想

年末は法事・法要を行うには何かと制約が多い時期です。喪家・参列者ともに、余裕を持ったスケジュール管理が必須です。お寺は年末になると、法事や除夜の鐘、年越しの準備、年始の行事などで非常に多忙になります。早期連絡の徹底: 法要の日程を検討し始めたら、まずは菩提寺(お寺)へ連絡を入れましょう。1か月以上前が理想ですが、年末の場合はそれ以前(2〜3か月前)から相談を始めると安心です。

 

●お布施の準備
年末は金融機関も混み合います。お布施を新札で準備するなど、早めに手配しておきましょう。

 

●お寺の年間行事の確認
年末年始にお寺の大きな行事や休みがないかを確認し、その時期を避ける配慮も必要です。

法事会場や仕出し店も、年末は予約が集中します。

会場予約と親族への案内のタイミング

●法事会場は早期予約がベター

特に土日祝日や六曜(大安・友引など)を気にする場合は、会場や仕出しの予約は2〜3か月前に行いましょう。親族への案内は1〜2か月前: 親族も年末のスケジュールが詰まっているため、できる限り早く案内状を送付する必要があります。

 

●返信期限の設定

出欠確認と会食の人数を確定するため、返信期限は法事の2〜3週間前に設定し、期日を厳守してもらいましょう。

年末年始の郵便事情と配慮

法事の案内状や欠席時の香典の郵送には、年末年始特有の郵便事情を考慮する必要があります。

●配達遅延の可能性

年末年始は、郵便物や宅配便の配達が遅延することがあります。案内状は余裕をもって投函しましょう。

 

●弔電の手配

弔電も年末は混み合う可能性があるため、通常の法事以上に早めの手配(前日午前中まで)を心がけましょう。

 

●欠席時の郵送物

欠席者が香典を郵送する場合は、「年末年始は混み合う」旨を喪家側から一言伝えておくと、受け取る側の不安を軽減できます。

新潟ならではの冬の法事の工夫

移動時間に余裕を持つための具体的な対策

新潟県は、都市部と山間部で気候が大きく異なりますが、冬の法事では共通して寒さ対策と移動への配慮が重要です。新潟の冬は天気が変わりやすく、風が強い日や急な降雪に見舞われることがあります。特に路面凍結による渋滞や事故も懸念されます。

 

●早めの移動

移動時間は平常時より30分〜1時間程度の余裕を持って設定しましょう。特に降雪が予想される場合は、さらに余裕が必要です。

 

●タクシーの手配

参列者が高齢である場合や、降雪が予想される場合は、タクシーを事前に手配し、確実に移動できるようにしましょう。年末は配車も混み合います。

 

●駐車場の事前確認

会場やお寺の駐車場が、雪で利用できなくなっていないか、または除雪されているかを確認しましょう。関東圏からの弔問客車両のスタッドレスタイヤの装着は必須です。

 

●帰りの時間も考慮

法事が終わる時間帯が夕方以降になる場合は、路面凍結の可能性が高まるため、早めの帰宅を促す配慮も大切です。

高齢者に配慮した会場選びとチェックポイント

冬の法事は、高齢者の参列者にとって大きな負担となります。会場選びは以下の点をチェックしましょう。

 

●暖房設備

暖房の効き具合が均一で、足元まで暖かいか。予備の暖房器具(ヒーターなど)の準備は可能か。

 

●バリアフリー

段差が少ないか。特に玄関から本堂・会場までの通路が滑り止め加工されているか。

 

●駐車場の近さ

駐車場から会場までの距離が近いか、屋根付きのスペースがあるか。外気と暖房の効いた室内の温度差が大きいと、高齢者は血圧が急変動し、ヒートショックを起こすリスクがあります。

 

●コートの脱ぎ着の場所

暖かい場所でコートを脱ぐのではなく、比較的温度差の少ない玄関や廊下で脱ぎ着するよう促しましょう。

 

●カイロの利用

外出時だけでなく、会場内の座席でもカイロを貼り付けておくことで、体の芯から冷えるのを防ぎます。

 

●水分補給の促し

冬場は乾燥しており、暖房でさらに脱水状態になりやすいです。法事の合間に温かいお茶などを出すタイミングを増やし、こまめな水分補給を促す気遣いが大切です。

 

まとめ 参列者への静かな気遣いが鍵となる冬の法事

冬の法事は、寒さ・体調管理・感染症、そして年末の慌ただしさなど、ほかの季節にはない多くの注意点があります。特に高齢者の参加が多いことが予測される場合、「基本のマナーを守ること」に加えて「参加者への物理的・精神的な負担を最小限に抑える配慮」が求められます。早めのスケジュール設定、細やかな防寒対策、そして感染症への配慮を示す静かなふるまい。

 

これらの細部にわたる気遣いが、法事を穏やかに、そして故人の供養にふさわしい厳粛なものにするための何よりの鍵となるでしょう。ご遺族も参列者も、皆が安心して故人を偲べるよう、万全の準備を心がけましょう。

 

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