はじめに
かつてはご近所や町内の方、友人、会社関係の方が一堂に会して見送る葬儀が主流でしたが、コロナ禍以降、核家族化や高齢化の影響もあり、「家族葬」を選ばれるご家庭が新潟県内でも増え、葬儀スタイルの主流となってきました。家族葬は、ご遺族が大切にしたい故人との時間を尊重し、落ち着いた環境でのお別れを実現できる比較的自由度の高い葬儀のスタイルとして広く受け入れられています。
一方で、「家族葬は遺族や親族だけの参列だからマナーも気にしなくてよい」という誤解を耳にすることもあります。実際には、家族葬だからこそ大切にしたい配慮や礼儀があり、思いやりある行動がご遺族の心の支えとなります。また、最近の家族葬では、友人や会社関係の人にもお声掛けし参列もらうケースも増えてきました。故人の交友関係や喪主の考えで、遺族の葬儀に対する考え方も多様化してきており、家族葬も時代の流れと共に変化してきています。
本コラムでは、新潟県下越地方・新潟市周辺地域の皆さまに向けて、家族葬の場面で心がけたい気遣いや配慮・マナーについて、具体的な事例を交えながらご紹介します。参列する場合だけでなく、参列しなかったケース、「ご近所」として遺族に接する立場で役立つ内容をまとめました。大切なのは「故人を敬う気持ち」と「ご遺族への思いやり」。ぜひ参考にしていただき、あたたかな見送りにつなげていただければ幸いです。
家族葬とは?改めて知っておきたい家族葬の基本
家族葬とは、地域ごとの葬儀の伝統と風習を重んじながらも、家族または近しい親族だけで執り行う比較的規模の小さなご葬儀です。新潟県下越地方・新潟市周辺においても、高齢化・少子化、そして人付き合いの変化を背景に選ばれることが増えています。
一般葬との大きな違いは、参列者の範囲を限定するケースがあることです。会社関係者やご近所、友人・知人などには連絡せず、遺族の意向で静かに執り行います。その分、遺族の精神的・経済的な負担も軽減され、落ち着いた雰囲気での故人の見送りが可能になります。
また、家族葬には明確な定義があるわけではありませんが、「2〜30人程度の小規模な葬儀」が目安とされることが多く、地域によって風習や形式に多少の違いがあります。新潟県下越地方・新潟市周辺では、菩提寺との関係や地域の風習によって、家族葬でも僧侶に依頼して読経や戒名授与をきちんと行うことが多いです。
時代の流れとともに家族葬のスタイル自体も少しずつ変化・進化しています。以前は家族と近しい親族だけの比較的規模の小さい葬儀が主流を占めていましたが、近年では親しい友人や会社の上司・同僚などにもお別れをして頂くスタイルも増えてきています。但し、その場合でも通夜式・葬儀式は家族や親族だけ…というケースが多いようです。家族葬のスタイルも多様化してきているので、葬儀社が主催している「葬儀事前相談会」等で御自身の希望を聞いてもらいアドバイスを受けることをおすめします。
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家族葬で身につけたい参列者のマナーと気遣い
●故人様とご遺族の想いを尊重する心遣い
ご家族だけで静かに故人様を見送りたい、というご遺族の想いを汲み取ることが大切です。葬儀の案内をいただいていない場合は、ご遺族の意向を尊重し、参列は控えることが故人様への最大の敬意となります。後日、弔問の機会を設けてくださる場合もありますので、その際は改めてご遺族の気持ちに寄り添いましょう。
●お気持ちを配慮したご香典・お供えのあり方
ご遺族が「ご香典、お供え、お花は辞退いたします」とされている場合は、ご遺族の意向を尊重し、お渡しは控えましょう。お気持ちだけで十分伝わります。ご遺族にとって、返礼品の準備などの負担がないよう配慮することも、大切な心遣いです。
●故人様を見送る場にふさわしい服装
ご家族のみで行う家族葬であっても、故人様を偲ぶ大切な場であることに変わりはありません。喪服、または地味な色合いの平服を着用することが一般的です。派手な服装や、香りの強い香水などは避け、静寂な場にふさわしい身だしなみを心がけましょう。
●故人様との最後の時間を静かに見送る配慮
家族葬では、ご遺族のプライバシーを尊重することが大切です。葬儀の様子を許可なく写真や動画で撮影したり、SNSなどに投稿したりすることは控えましょう。故人様との最後のお別れを、穏やかで静かな時間として見守る心遣いが求められます。
家族葬で求められる配慮【参列しなかった場合】
●後日のお声掛けは思いやりをもって
「なぜ呼ばれなかったのか」と受け止めるのではなく、「ご遺族のご意向を大切にされたのですね」といった理解ある言葉をかけることが望ましいです。家族葬は、故人や喪主の希望に合わせて参列の範囲を柔軟に決めるスタイルです。現代人の気遣いマナーとして対応しましょう。
●香典や供花・供物は事前の確認を
善意からでも、遺族のご意向を確かめずに香典や供花・供物をお贈りするのは控えた方が安心です。「お気持ちだけありがたく受け取ります」とされるケースもあり、確認してから心を形にするのがスマートな配慮です。
●詮索よりも温かな気遣いがスマートです
「誰が参列したのか」などを詮索するのではなく、静かにご冥福を祈る気持ちを持つことが一番のご供養です。ご遺族にとっても、周囲の方のあたたかな思いやりが何よりの支えになります。
家族葬で心掛けたいご近所の配慮
ご近所・町内のお付き合いがあると「故人にはお世話になっていたのにちゃんとお別れ出来なかった」と感じる方もいらっしゃいます。しかし、家族葬では参列の範囲を喪主やご遺族が考えて決めるのが一般的です。知らされなかったことを強い言葉で伝えるよりも、ご葬儀後、落ち着いたころに改めて「お悔やみを申し上げます」と弔意の気持ちを伝えることが、ご遺族にとって大きな支えになります。
また、ご近所の方が弔意を伝えに立ち寄ることもありますが、葬儀後のご遺族は心身ともに疲れていることが多いものです。玄関先での言葉がけは簡潔に、あるいはお手紙や日常偶然にお会いした際に伝えるなど、負担をかけない形が望ましいでしょう。
さらに、地域の方からのお手伝いや助言はありがたいものですが、家族葬では「できるだけ家族だけで進めたい」という想いもあります。お声がけをする際には「必要でしたらお手伝いします」と控えめに伝えるなど、ご遺族の意向を尊重することが大切です。
家族葬で心掛けたい喪主・ご遺族の配慮
家族葬は一般葬に比べて比較的自由度の高い葬儀スタイルだからこそ、ご近所や友人・会社関係の方への配慮が円滑な関係を保つ鍵になります。
親戚や友人への説明では「故人の希望で」「高齢のため身近な範囲で行いました」などと一言添えることで、周囲の理解を得やすくなります。
香典についても、辞退を希望される場合は「今回はお気持ちだけ頂戴いたします」など、はっきりと伝えることで誤解を防げます。
さらに、葬儀後にご報告をしないと「知らなかった」と驚かれる方が出ることもあります。はがきや電話で「無事に葬儀を終えました」とお伝えすることは、相手への思いやりであり、良好な関係を保つためにも有効です。
家族葬で大切にしたい「静かな時間と故人を敬う心」
近年葬儀の主流となってきた家族葬は、大勢の参列者でお見送りするスタイルではなく、「静かに故人を偲ぶ時間」を大切にする葬儀のかたちです。最近では、家族や親族だけでなく、親しい友人や会社関係の方を招くなど、喪主やご遺族の考えに応じて柔軟に形を選ぶケースも増えています。
だからこそ、家族葬におけるマナーの基本は「ご遺族の気持ちに寄り添うこと」「参列や香典、供花・供物など確認しながら手配すること」が肝要です。自由度の高い葬儀だからこそ、互いに思いやりの気持ちを持ち、丁寧にお見送りする姿勢が、何よりのご供養となります。
家族葬の本質は、故人を敬い、心静かに送り出すこと。その思いを喪主や遺族と共有できることこそが、現代における家族葬の大きな価値といえるでしょう。
まとめ
家族葬は、葬儀にお招きする範囲を絞った比較的規模の小さい葬儀です。大勢の弔問客が押し寄せる葬儀とは違い、一人ひとりの行動が印象に残ります。「気づかないうちに配慮を欠いてしまった」と後悔することのないよう、基本的なマナーを知っておくことが大切です。
大切なのは、「参列するかしないか」ではなく、「故人と遺族にどう心を寄せるか」。静かなお別れを、心から尊重する気持ちを忘れずに行動したいものです。
「家族葬そら」では、新潟県内の皆さまに寄り添った葬儀サービスを提供するだけでなく、ご葬儀後の法要や墓石等の相談をお受けしております。ひとりで悩まず、仏壇・墓石の福宝グループの「家族葬そら」主催の「無料相談会」でお気軽にご相談ください。
家族葬そらでは万が一の時に慌てないためにも「事前相談」を推奨しています。
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